あえて抵抗しない

 

あえて抵抗しない。

 

これは曲がりなりにも21年間生きてみてわかったことだが、世の中は抵抗しても意味のないことがほとんどである。大体のことが、はじめからそうなるように決められているように思う。しかし適切な抵抗は、確実に必要である。

 

高校生のころ、ロックバンドが大好きだった。画面の向こうで必死な顔で叫ぶ彼らは僕のヒーローだった。

うるさいバンドが大好きだった。ある日ゆらゆら帝国というバンドに出会った。はじめて観たライブ映像は、汚いくらいにファズがかったギターが鳴っていて、ボーカルがクネクネしながら歌っていて、気持ち悪いけど、かっこいいなと思った。

他の曲も探してみるとおとなしめで変な曲がたくさんあった。おとなしかったけど、なんか良かった。

 

あえて抵抗しない

 

変なタイトルだなと思った。でも、なんとなく心を掴まれた。

当時思春期真っ只中の僕は抵抗したくて仕方がなかった。全てのことが嫌で、全てのことが好きだった。クソみたいな世の中だな、とか思いながらご飯を食べて寝て、次の日学校に行けば友達と遊んで普通に楽しかった。今思えば救いようのない馬鹿だった。

あえて抵抗しないのも格好いいな、と思った。飄々と躱しながら、たまには躱しきれなかった攻撃を受けながら、あえて抵抗せず、やってみたいと思った。馬鹿だから思ったことも、すぐ忘れていたけれど。